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デジタルヘルス導入を成功させる4つのポイント(続き)

 では、プライマリーヘルスケアや公衆衛生を強化し、ギャップを埋め、ケアの継続性を確保し、アクセスを改善する重要な成功要因について説明したいと思います。

1. 政府機関とソリューション・プロバイダーとのシナジー効果による規模の拡大

 政府や非政府組織が単独でソリューションを構築・展開できない環境では、ソリューションデザイナーが重要な役割を担います。しかし、政府機関との強力なパートナーシップなしには、この役割を果たすことはできません。政府機関のトップレベルの支援は、それを可能にするものです。さらに、政府機関との長期的な関与とパートナーシップは、規模を拡大するのに役立ちます。

 

 実例として、インド、グジャラート州の農村部における包括的な公衆衛生ソリューションの試みがあります。このソリューションは、地方に住む市民にオンタイムで高品質かつプロアクティブなヘルスケアを提供するという重要な多次元的課題に取り組んでいます。このソリューションの成功と規模の拡大は、州政府と地域のNGOおよびソリューション・プロバイダーの長期的なパートナーシップの証です。

 1万3,000人を超えるモバイルワーカーがモバイルアプリケーションを使用し、6,500万人以上の受益者にサービスを提供するまでになっています。

2. 迅速なカスタマイズが可能なテクノロジー

 公共医療では、規模、適時性、インパクトが最も重要です。適切なケースでは、ゼロから新しいソリューションを開発するよりも、迅速なカスタマイズを可能にする安定した信頼性の高いテクノロジーの方が、より大きなインパクトを与えることができます。これは、迅速な実装が人命を救う可能性を持つ公共医療のパラダイムにおいて特に当てはまります。さらに、政府やヘルスケアのエコシステムの関係者も、すでに成功し、独自のニーズに合わせて迅速にカスタマイズできる、実績のあるソリューションを好みます。

 

 このため、中央政府の医療関連ポータルとの相互運用が可能で、さまざまな公共医療やプライマリーヘルスケアの実装の多様なニーズに対応している実績を持つ包括的なローコードの公衆衛生管理フレームワークを用いるのが好ましいでしょう。

3.人間中心設計と低中所得者層での操作性

 低中所得者層の公共医療分野のためのデジタルツールをデザインする場合、重要な考慮点は、適切な環境(接続インフラなど)の存在と、ユーザーのデジタルスキルです。

ユーザーの優先順位や問題点、低中所得者層の既存のインフラに沿った人間中心の設計アプローチを追求することが、今必要なことなのです。

 

 これには、類似した環境での多くの実装により、コンセプトと実行の証明に支えられているソリューションの利用が望ましいでしょう。

これは、政府や関連する意思決定機関のさまざまな利害関係者にとっても、一種の「社会的証明」として機能するでしょう。

4. 相互運用性によるカバー率の向上

 現在のプライマリーデジタルヘルスケアの状況は、様々な提供者による断片的なソリューションによって妨げられています。そのため、独立したデジタル・ソリューションが相互に接続し、より広範な国のヘルスケア・エコシステムに接続する必要があります。

低中所得者層では、生涯にわたるヘルスケアの遍歴、ヘルスケア・ジャーニー間の相互運用性の構築に注力する必要があります。地域レベルであれ、全国的なヘルスケア・エコシステムのレベルであれ、相互運用性は極めて重要です。

 

 これによって、より迅速なデータの流れ、担当者間のコラボレーション、すべての関係者の分析およびレポート作成が可能になります。相互運用性の構築により、医療提供の範囲が広がり、サービスの質が向上し、データ共有とシームレスなユーザーエクスペリエンスによりケアコーディネーションが改善されるという具体的な結果が得られます。やがて、データとアナリティクスへの容易なアクセスにより、エビデンスに基づくガイドラインに基づき、専門家の質も向上していきます。

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